不動産価格は1物4価といわれ、その中の1つが相続税評価額です。その評価額の基ととなるのが路線価評価と倍率評価。普段は価格や倍率に注目してますが、その特徴や指針を知ると、より一層評価への捉え方が深まります。
2つの評価方式
相続税および贈与税の計算の基礎となる宅地の評価には、「路線価評価方式」と「倍率評価方式」があります。
評価しようとする宅地につき、どちらの方式を採用するかは、毎年1回、国税庁ホームページで公表する「路線価図」や「倍率表」にて確認することができます。
路線価評価方式とは
市街地的形態を形成する地域ごとの道路に付された価格(路線価)をもとに、各宅地の個別性を画地調整して評価する方式です。
倍率評価方式とは
固定資産税評価額に地域ごとに定められている倍率を乗じて評価する方式です。
路線価が付される道路
不特定多数の人が通行している道路であれば、公道であるか私道であるか、建築基準法上の道路であるかどうか、車両の通行が可能であるかどうかを問いません。
したがって、次のような状況であっても、不特定多数の人が通行している道路ものには、路線価が付される場合もあります。
- 青線(水路)に蓋(ふた)を付設して暗渠とし、道路として通行可能な状況にある場合
- 公図上の赤道(あかみち・道と付設)で通行可能な状況にある場合
- 私有地内を不特定多数の人が通行することを黙認していたために整備したものではないが、事実上の通路として存在する場合
路線価とその特徴
路線価は、売買実例価額、公示価格、不動産鑑定士による鑑定評価額、精通者意見価格などを基として、国税局長が定めた価額です。
特徴
- 価格水準が概ね同一と認められる路線ごとに設定
- 1㎡当たりの価格(単価)を千円単位で記載
- 毎年1回7月に、その年の1月1日の価格を公表(国税庁のHPにて)
路線価の宅地条件と画地調整
路線価が表す土地価格
- その路線のほぼ中央部にあること
- その一連の宅地に共通している地勢にあること
- その路線だけに接していること
- その路線に面している宅地の標準的な間口距離または奥行距離を有すること
- その形状が正方形または長方形のものであること
以上をまとめると、路線価に地積を乗じて「標準画地※」の価格を求めることができるとなります。※標準画地とは、路線の中央部にある長方形の宅地
しかし、実際の宅地は、角地であったり、間口が狭かったり、形が悪かったりなどの個別性があります。
この個別性のプラスマイナスを「画地調整」しなければ適正な評価はできません。
財産評価基本通達では、以下の方法によって評価に反映させるとこととしています。
- 画地調整の要因(標準宅地に比べて増価または減価させる)
- その調整率(増減幅)が定められ、
- 単価を調整する
※標準画地とは、路線の中央部にある長方形の宅地
倍率評価のポイント
計算式
土地評価額=固定資産税評価額×倍率
- 相続開始年分の固定資産税評価額を基に、評価倍率表記載の倍率を乗じる
- 固定資産税課税標準額ではなく、「固定資産税評価額」を使う
- 地目が現況と異なる場合には、現況地目にてい評価
異なる地目例
- 公簿地目・・・畑
- 固定資産税地目・・・畑
- 現況を見たら・・・宅地だった
このような場合は、宅地として評価します。
以上、路線価評価と倍率評価の捉え方について説明しました。
これからも関連記事を読みたい方、セミナーに参加したい方、特典レポートを読みたい方は、メールアドレスをご登録ください(無料)。 全てはメルマガでご案内しています。その内容は次の通りです。
- 最新の記事や実務・事例の配信。
- セミナーやDVD・動画のご案内。
- 無料動画や特典レポートのご案内。
ご登録フォーム(▼名前とメールアドレス▼)