土地評価における様々な調査の中でも、重要度が高いのは役所調査。土地の価値を決めるのに建築や不動産業界では常識と言われるこの役所調査がなぜ税理士業界では習慣化されていないのか?役所で何を調べるのかという調査方法や目的と併せてまとめてみました。
役所調査の必要性
セミナービゲーターの久保木です。
土地評価をするにあたって役所調査は絶対に欠かせない調査といっても過言ではありません。
なぜ欠かせないと思いますか?
それは・・・
役所には減価要因を確定する判断材料が数多くあるからです。
例えば、評価対象地の間口を測ったら1.8mだったとします。他に接道していなければ、この時点で無道路地だと判断できます。
では間口が2mだったらどうでしょうか?
無道路地ではない。
その答えはNoです。まだこの時点では無道路地かどうかはわかならないのです。
これは前面道路が建築基準法上の道路かどうかを役所で調査してはじめて判断ができます。その他にも減価要因を裏付ける資料も保管されており業務を効率的に進めることができるからです。
その一方で役所調査を行わないと、減価要因を見落とす可能性が高くなり過大評価につながるので、土地評価には欠かせない作業なのです。
それでも、役所調査を行わない方が多く見受けられ、むしろ行ってる人は少数というのが現状。
その裏付けとして土地評価の専門書には、減価要因の解説はされていますが、減価要因の探し方や調査方法については殆ど触れられていないことがあげられます。それもそのはず。普段から役所調査をしていないのですから書けるはずがありません。
役所で何を調査するのか?
役所調査で何を調べるかと言いますと、主に建築基準法と都市計画法が対象土地の価値にどのような影響を及ぼすかを調査します。
土地の価値は建物の建築可否でかなり変わり、建築が可能でもそのときの規制内容によってまた価値は変わります。したがって、役所調査は、主に土地の価値を左右する「利用の規制内容」を調べます。
この内容は、建物を建てるさいのある一定の条件になりますので、これが減価要因に直結することになります。
例えば、役所調査したら評価対象地の前面道路が42条2項道路とわかりました。
いわゆるセットバックです。
建物を建てるには道路中心線から2m後退しないと建てられないので、この条件(道路中心線から2m後退)が減価要因になるわけです。
役所で分かる主な減価要因
無道路地
調査項目:接道建築基準法上の道路に接しているか、接道義務を満たしているか。
セットバック
調査項目:42条2項道路かどうか、セットバックの距離。
私道
調査項目:建築基準法上の道路かどうか。
都市計画道路予定地
調査項目:都市計画道路の有無、計画道路の予定路線。
1画地で「容積率」が異なる場合
調査項目:用途地域、容積率の境のライン。
赤道、水路
調査項目:建築基準法上の道路かどうか。
市街化調整区域内の土地のしんしゃく割合
調査項目:建物建築の可否、条例指定区域かどうか。
地積規模の大きな宅地
調査項目:用途地域、指定容積率の割合、開発行為を行えるかどうか(市街化調整区域内の場合)。
また、調査方法やどの窓口に行けばよいかについては、
こちらのセミナー「役所調査の実務要点」で詳しく解説しています。
以上、役所調査で何を調べるかについてご説明しました。
ご参考になれば、何よりです。
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