土地の権利には様々なものがありますが、土地評価で多いのは、借地権・地上権・賃借権・地役権です。これらは土地と同等の価値があるものとして評価し、価額は権利ごとに行うことがポイントになります。
土地の上に存する権利
土地は位置・規模・形状といった物的な側面と、所有者・賃借人・使用者などといった権利の側面を併せ有しています。
土地の評価は、まず物的側面に着目して自用地の価格を求め、さらに権利態様を考慮するという手順で進めていきます。
土地に付着する権利として財産評価基本通達では次の10種類を規定しています。
1:地上権
他人の土地において工作物または竹木を所有するために、その土地を使用する権利(区分地上権、借地権および定期借地権等を除く)
2:区分地上権
地下または空中の範囲を定めた地上権
3:永小作権
小作料を支払って他人の土地を耕作または牧畜をする権利
4:区分地上権に準ずる権利
特別高圧架空電線の架設若しくは高圧ガス導管の敷設、飛行場の設置等の目的のために地下または空中に上下の範囲を定めて設定された地役権で、建造物の設置を制限するもの
5:借地権
建物の所有を目的とする地上権または土地の賃借権
6:定期借地権等
借地契約の更新がなく、契約期間満了により確定的に借地権が消滅するもので、一般・建物譲渡特約・事業用借地権がある
7:耕作権
農地または採草放牧地の上に存する賃借権
8:温泉権
鉱泉地において温泉を排他的に利用できる権利(引湯権を含む)
9:賃借権
賃貸借契約に基づき賃借人が目的物たる土地を使用収益することができる権利
10:占用権
河川法の河川区域内の土地の占用の許可に基づく権利もしくは道路法の道路の占有許可等に基づき経済的利益を生ずる権利
共有持分
1個の所有権を複数の人格で共有している状態をいいます。
土地を共有している場合には、持ち分ごとに評価するのではなく、その土地をひとつの土地と評価した後、共有者(被相続人等)の共有持ち分を乗じて評価します。
区分所有
いわゆる分譲マンションの敷地です。マンションは通常土地と建物を別々に売買したりすることができないため、敷地利用権とされます。
そのため敷地利用権の対象となっている土地(登記事項証明書などで確認)を評価した後、敷地利用権割合を乗じて評価します。
以上、土地の上に存する権利について説明しました。
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